月経のある日本人女性の5人に1人は貧血と言われており、中でも一番多いのが鉄不足によって起こる「鉄欠乏性貧血」です。女性は思春期になると初潮を迎え、月経のサイクルが始まります。月に一度の月経で約100mlの血が失われ、月経期間を40年とすると、一生のうちに約50Lの血が失われることになります。これは人間ひとりの血の10倍もの量なのです。これに妊娠・出産・授乳を経験している女性はもっと血が減少します。大前提として女性は血が足りていないのです。

 貧血の女性は血流の悪さを自覚して、納豆や青魚を食べたり水をたくさん飲んだりとさまざまな血流改善法を試そうとします。しかし世の中に知られている血流改善法のほとんどは生活習慣病に悩む血がドロドロタイプの人の為のものであり、血を増やして血流を良くするためのものではありません。貧血の人の場合、そもそも血の不足を解消しなければ解決にはつながらないのです。

 そして、貧血の人の血流が悪くなる要因としては主に3つです。

1.血がつくれない 2.血が足りない 3.血が流れない

この3つの要因は1から3の順番に起こります。血をつくることができないために血が足りなくなり、足りなくなるために血が流れなくなります。そのため、血流改善は要因に合わせて順番に取り組むことが大切になります。例えば、そもそも血をつくれない人が血を流す健康法に取り組んでもうまくいかないということです。

 なぜ血が作れなくなってしまうのでしょうか。その理由は「胃腸」にあります。胃腸が弱ってしまうと、栄養を十分に吸収できなくなってしまい血そのものが体に入ってこなくなります。貧血改善のためにサプリメントや野菜で、鉄分や亜鉛の摂取を意識してもなかなか改善しない場合の多くは胃腸がうまく働かず吸収できていないからだと考えられます。現代の日本人は食べすぎや早食い、あるいは食事内容の偏りのために胃腸が弱い人が多く見られます。お腹はちゃんと空いているか?甘いものを食べすぎていないか?お通じは出ているか?血は胃腸からの栄養で作られます。不妊、月経不順、子宮内膜症などどんな婦人科系疾患もまずは胃腸の働きを正常にするところからが始まりです。

 では、どのくらいで血流は改善されていくのでしょうか?答えは約四ヶ月です。理由としては血に含まれる赤血球の生まれ変わりのサイクルが120日必要になることと、女性の月経リズムをつくっている卵子が準備されるのに四ヶ月かかるという二点です。しかし、四ヶ月経たないと変化が起きないわけではなく、女性は月に一度の月経により血流状態が目に見えてわかります。ただし、変化を実感してもらうためには血をつくる→血を増やす→血を流す。この3つの順番を必ず守ることが重要なので、まず取り組むべきは「血をつくること」目安としては「朝、きちんとお腹が空いていること」で胃腸が丈夫になってきたという目安になります。

 そして、血流を改善するためには生活習慣の中での食事と睡眠を見直すことが重要です。まず食事のポイントは「胃腸」を元気にすることです。食事をしたあと、約90分で胃は空っぽになり、強い収縮が胃に起きます。これは胃や腸の中にある食べ物の残りカスや古い粘膜を剥ぎ取り綺麗に掃除をするためです。空腹の時間がないと胃は掃除することができません。食べカスが残ったまま腸壁は汚れどんどん胃腸の働きが低下していき消化力が弱くなるため必要な栄養も吸収できなくなります。胃腸の掃除ができるようになるためには「夕食を控えめにして小腹が空いたな」くらいで眠ることです。

 朝起きたときに食欲があるかどうか、あるいは睡眠中に掃除されたゴミが便として出るので朝お通じがあれば胃腸の調子は良い状態と言えます。そして睡眠で重要なのは「夜23時までに寝ること」です。深夜0時を挟んだ前後2時間は交感神経と副交感神経が入れ替わる時間で午前1〜3時の間が血をつくる時間となります。この自律神経の入れ替わりが行われないと血がつくれないだけでなく血の浄化もできないためにあらゆる病気を引き起こす原因にもなります。貧血の人は睡眠の前段階として胃腸の力が弱くなっているので、まずは胃腸を整えて血をつくれるようになること。そうすると睡眠状態がよくなり、さらに血を増やすことができるという循環が生まれていくようになります。